デムパ騒乱

いや,自民党が新憲法草案(憲法改正草案)を出したことで,メディアでデムパが飛び交ってますね。「ネット右翼」とか「プチナショナリスト」とか言われる方々は憲法のような大局的なことよりも,靖国とかパチンコとか局所的な事柄に興味があるのか,他方「(ネット)左翼」とか「市民派」とか言われる方々は,思わぬ穏健ぶりに拍子抜けしたのか,理由は分かりませんが,珍しくネットよりもメディアの惨状の方が目に付きます。
今日の超高周波は辻元清美衆院議員(社民党)。まあ,小泉氏の靖国参拝に対して,よりツッコミやすい政教分離を脇において,「戦犯の名誉回復」とかいう微妙すぎる論点を突く方ですから,それ以前につい最近法律に反してお咎めをくらった方ですから,最初から法律論は期待していませんが,それならそれで法律について話さず,理念・思想のみを語ればいいのに,下手に法律に手を出すものだから…
『サンデー・プロジェクト』での発言。概要は「自民案の<9条の2>および<9条の3>は<自衛軍>について専ら法律に委ねてる。憲法は法律の上にあるのに,憲法の上に法律が来てる。」だそうです。
なるほど,そういう見方もありますね。ただ,その見方をするのであれば,現憲法でも…

  • 皇位についても「世襲」であることを除けば法律(皇室典範)に委ねられていますし,現に今,法律レベルで女性天皇女系天皇を容認するかが話題になってます。皇室・皇位憲法の上に来てます。
  • 「日本国民たる要件は,法律でこれを定める」辻元さんは驚くかもしれませんが,なんと現行憲法10条の文言です。憲法制定権者(改正権者)である国民の要件すら法律に委ねられ,辻元氏の表現を借りれば「憲法の上」に来ています。どうも,現行憲法は,大いなる自己矛盾を抱えているように思えてきます。

同じ9条改正に反対するんなら,下手な似非法律論出すよりも,「平和が一番!」と叫んでいる方がよっぽどマシです。*1
もう少し勉強されるか,法曹資格を持つ福島瑞穂氏を前面に出すことをお勧めします。

ついでに,公明党も段々厳しくなってますね。社民が自民との連立でアイデンティティを喪失したように,公明も憲法改正がターニングポイントになりそうです。
民主党は,少なくても枝野氏は,マトモ。自民党憲法改正草案大綱が出た後の議論でも,衆院憲法調査会(特別委員会)でも,野党の中では最もマトモに見えます。(これは別に彼が「改正派」だからというコトは関係なくて,自民党との混合を避ける為か改正に慎重な立場を取っている最近でも,この感想は変わらない。)
共産党。確か出てたけど,何も印象に残ってない。

*1:別に自民案に無条件に賛成してるわけじゃないが,自民案のように広く法律(立法府)・政府(行政府)に権限を委譲することも可能…というか立法府・行政府の権能を定めるのが憲法ですから。集団的自衛権を含む安全保障について,更に詳細に憲法で担保すべきという(法)政策論であれば話は別ですが…