安楽椅子探偵

先週,問題編が,今日,解答編が放送される「安楽椅子探偵」の私の解答。
関係者に知り合いがいるために念の為応募を自粛したが,別に答えを聞いているわけではないので…

解答

個々に異なる表紙を持つノートから三条みやび事件のノートを特定し,ノートを破り得るのは,撮影現場で表紙のコピーを見ている太秦・劇団員らと,コピーの処分を行った時にいたスタッフ4人。
ノートを処分せざる得ないのは「ルナ文字」が解読可能と信じ,犯人について番組で話された以上の記述がある可能性を危惧する人物,すなわち「仮面(マスク)」に言及されたAD・衣笠。
しかし,「58」の隣のプレートに,太秦のレポート時になかった「Z」が,「霊視」に合わせて後から書き加えられていたことから,犯人は「霊視」を100%信じてはいない(トランク=死体も「霊視」に合わせて捨てられた可能性もある)。つまり,真犯人にはノートを処分しなければならない理由はなく,衣笠を疑わせる為の偽装。
ノートの表紙を知り得,14日夜のアリバイがないのは太秦のみ(他の「劇団員全員」は朝まで飲んでいた)。よって犯人は太秦


以上,約400字の「解答」。以下,補足。

三条みやびの殺害時点

スーツケースを運んでいた「人物」が男なのはあくまでも「再現」VTR。番組内の明確な表現としては,管理人も「誰か」と聞かれ肯定するのみで,「男」とは言ってない。
「人物」がみやびだった場合*1,14日夜のアリバイは無意味
この構成ならお手上げ(以下,スーツケースにはルナの死体が入っていることを前提)

「ルナ文字」の解読可能性

「解読可能」とルナが話したのは14日夜に放送されていた番組内。みやび殺害が14日夜に行われたとすれば,管理人の見ていた番組を犯人は見ていないはず。つまり,解読可能性について,犯人は知らないはず。
但し,堀川・鞍馬は衣笠から解読可能性について聞かされている。他の人間についても,例えばビデオ録画や再放送で,または人聞きで,解読可能性を聞いている可能性はある。
ので,犯人(またはノートの処分者)が解読可能性を知らない,という構成は無視。
逆に解読不能であるコトを確実に知っているのは,高瀬川西大路(のみ)。「霊視」を疑っている/信じていない人物(犯人含む)も,「ルナ文字」が落書きにすぎないコトはムーについて調べなければ確証を得られない。

ノートの処分

「ルナ文字」が落書きに過ぎないことを知られたくなかった,のが処分動機だとすれば,衣笠をはめる以上の理由になりえる。例えば,視聴率に利用してきた岩倉,例えば死者の名誉を気づかった高瀬川。しかし,だとすれば他のノートも処分しなければならない。
また,犯人が本気でみやび殺害についての記述を恐れたのであれば,それを隠す為にも全てのノートを処分するはず。
よってノートの処分は偽装にすぎない。
なお,みやびの携帯が置かれ,みやび殺害との繋がりが敢えて示唆されていることからも,偽装説は補強される。すなわち,犯人しか持ち得ない証拠(の可能性が大きい)である携帯がなければ,別件の事件として扱われた可能性があり,犯人は敢えて携帯を落とし,みやび殺害との繋がりを(警察/視聴者に)アピールしている。
但し,偽装工作と思わせる為の偽装,という可能性も否定できない。

「霊視」の嘘

直接告白された高瀬川,それを立ち聞きした西大路以外はいかにして「霊視」が嘘であることを知り得たか。

  • 仮にスーツケースを運んだのがみやび本人の場合,ルナの最初の「霊視」の時点で犯人は「霊視」の嘘に気付き得る。
  • (「霊視」どおり)みやびは部屋で殺害されスーツケースで運ばれたとしても,車発見時に別の場所に死体があったとすれば(そしてそこが海と関係なければ),このときの「霊視」で嘘に気付き得る。
  • 他にも,例えばムーで使われたという文字を独自に調べたり(学者やジャーナリストなら十分にありえる,酔狂なテレビスタッフでもそうするかもしれない),過去の別の「霊視」で既に嘘と見破っていたり,幾らでも考えられる。

犯人特定には使えない。
「職業柄,一度聞いた声は忘れない」というルナが,インターフォン越しで人物特定をできなかった点
歩く「声紋識別機」とはいえ所詮は人間,声を変えられたら分からない。そもそも声を知らない鞍馬,元男役・桂の男声,演劇人・太秦の舞台声と日常の声,同じく舞台出身の石丸謙二郎西大路),その他の人物にしても素人なりの変声
この事実は犯人の特定には使えない。

結論。

以上,挙げたように,太秦以外が犯人の可能性も十二分に考えうる。つまり,「エレガント」な解答である自信は,ない。
逆に言えば,仮に正解だとすれば,出題が「エレガント」でない。

*1:敢えてスーツケースに入る理由はないと思われるので,生きたみやびが自発的にスーツケースに入った可能性までは考慮不要だろう