時事放談:中曽根恨み節

ここ数日,自民党結党50年ということで,中曽根康弘氏が各局に出てますが,今日は時事放談。もう1人は,渡辺恒雄氏。ここにテーマが自民党「新憲法草案』となれば,話される内容は自ずと予想できるってもので,結果も予想は裏切られなかった。
中曽根氏曰く,2次草案を作ろうって話があり,そこで中曽根前文の復活を望む声も大きい(大きくなくないとしても,ないことはない)とのことだが…う〜ん,どうなんでしょ
「2次草案」なるものが出るとして —「1次案」「草案」と来ているので,「2次草案」ではなく「改正案」とか「憲法案」という名称になるのではないかと思うが…— それは自民党内の調整の結果ではなく,民主・公明との(水面下での)結果から出される,国会発議用の「改正案」になるんではないかと思う。当然,そこで中曽根前文が復活することもないんじゃなかろうか。
中曽根前文が復活するとすれば,それは他党を巻き込まない自民党内のみでの調整段階でしかあり得ず,それがなされる為には,少なくても中曽根前文を一蹴したと言われる小泉純一郎氏の退陣を待たなければならないはず。衆参の憲法調査会(特別委員会)や,テレビ・論壇での自民党議員の発言を見聞きしていても,中曽根前文への各人の賛否は別として,「中曽根前文による憲法改正の必要性」よりも「憲法改正の必要性」に重きを置いている方が多いように思われる。つまり,「中曽根前文を入れたい」「入れてもいい」「入れるべき」よりも,入れた/容れた結果の世論・メディア・野党の反発を危惧し,「入れなくてもいいから,とりあえず憲法改正」の方向でまとまっていると私は見る。
つーわけで,憲法改正の発議権を持つ地位たる国会議員の身分を持たない中曽根氏は,自民党の出した —場合によれば民主党公明党による修正の入った— 憲法改正案に一有権者として反対の意思表示(国民投票)をするしか無いんじゃなかろうか。(政党が党内に於いて,一有権者の意思をその法案 —憲法改正案— に反映させる,大いに反映させるのは別に問題ないが,彼/彼女が公的な発議権や修正権を持たないのは自明であって,小泉氏だろうと何かと物議を醸し出している杉村氏だろうと,何らかの方式で国民/有権者に選択されたという点で,法の制定/改正に当たって,単なる自民党員に優越するのは仕方のないこと)